地域の声 Voice

【粟生津地区支え合い活動推進委員会】 ~全世代が知り合って、仲間となるように~

粟生津地区支え合い活動推進委員会 今井委員長

(文中敬称略)

活動内容

 粟生津地区支え合い活動推進委員会*は、自治会単位で研修や「地域の茶の間」(サロン活動)の実施を行うほか、地区の全世代が知り合いになり、お互いに支え合っていくきっかけを作るため、令和6年度から、「粟生津地区支え合いピック(以下「支え合いピック」という。)」というイベントを開催しています。そのほか、下校時の安全パトロールをしながら支え合い活動の広報もしています。

* 支え合い活動推進委員会とは…基本的に各地区のまちづくり協議会エリアにおいて、地域の個人や団体が連携して「いつまでも安心して暮らしていける地域づくり」に取り組む組織です。

活動の一コマ紹介!

 6/29(日)に粟生津体育文化センターで「支え合いピック」が行われました。
 当日は100名を超える参加者が5チームに分かれ、輪投げ、スカットボール、空き缶積みなど5種目の個人戦と、「支え合い玉入れ」の団体戦に臨みました。
 個人戦では、お互いの健闘する姿に声援と拍手を送り合い、団体戦の玉入れでは、協力し合いながら楽しく取り組み、会場は活気にあふれました。
 休憩中に楽しくおしゃべりをしていたグループに声をかけると「日頃、地域の方と交流する機会がないので、家族や友達を誘って参加しました。」「お互いに今日初めて知り合いました。近所ではない方とも顔見知りになれて、交流の輪が広がっていくのでいいですね。」との声が聞かれました。

「声掛け」から「活動重視」へ より身近に、参加しやすく

 私が粟生津地区支え合い活動推進委員会(以下「委員会」という。)の委員長に就任したのは平成29年です。それまでの委員会の活動は「あいさつ(近所同士で声を掛け合う)」「気くばり(高齢者、障がい児・者をあたたかく見守る)」「助け合い(近所同士で普段と違うことがないか目配りする)」と声掛けを行うことが中心でした。しかし、「地域のつながりづくり・支え合い」をより効果的に前進させるには、「活動重視」へと転換する必要があると考え、自治会単位の研修会や、地域の茶の間の開設、児童下校時の広報車による安全パトロールの実施など様々な取り組みを行いました。
 また、委員会では、自治会単位での活動も大切にしています。理由は、粟生津地区全体での研修や活動の場合、会場から遠くて行きづらい方もいるからです。加えて、地域全体での活動を中心にすると、自治会役員の仕事が受け身になり、自主性が減退すると思いました。その点、自治会単位での活動なら、車に乗れない高齢者や子どもも徒歩で来られる場所で開催でき、隣近所の人たちとも誘い合って参加できます。また、子どもが参加すれば若い親世代まで参加者が広がります。そのため、自治会ごとに年1回地域の課題に合わせた研修会を行うなど、自治会単位で支え合いの地域づくりに向けて積極的に活動しています。

地域の全世代が知り合いになる機会をつくりたい

 委員会では、自治会単位での活動に力を入れる一方で、地域全体で一体となれる場も大切にしています。支え合いピックは、令和6年度から実施し、今年で2回目となります。「地域の支え合い活動」を前進させるためには、役員の声掛けだけでも、高齢者だけの集まりでも、子どもだけの活動でもだめです。そこで地域全体でみれば、各世代同士でつながり合っている人はほんの少数である現状をふまえ、これらの人を増やすためには、高齢者、成人、子どもと多世代での交流活動が必要だと考え、全住民対象のスポーツレクリエーション活動として「支え合いピック」を企画しました。

 私が昔から大切にしている言葉に「人は出会って知人となり 語り合って友人となり 活動しながら仲間となる」というものがあります。まず、全世代が知り合う機会をつくっていくことが大事な一歩です。支え合いピックへの参加は、チームとして各種の競技を通してお互いを思いやったり支え合ったりすることにより、多世代の地域住民同士のつながりを深める機会になります。

新競技でより「つながりの輪」が大きくなるように

 前回の支え合いピックは個人戦のみでしたが、今年は団体戦として「支え合い玉入れ」を追加しました。チーム内の様々な年齢層全員で相談したり、力を合わせたりして参加者相互の交流を生むことで、「つながりの輪」や「支え合いの輪」が大きくなると考えました。
 参加者には、下は3歳の小さい子どもから、上は93歳のお年寄りがいます。そのような方のために、ルールを工夫しました。玉入れの籠を中心に半径2.5メートル円を描き、チームごとに円内に落ちた玉を円外に出す内野の人と、円外から籠へ玉を投げ入れる外野の人に分かれることで、小さい子どもやお年寄りは円内で安全に競技に取り組めるようにしました。

 今回の支え合いピックでは、応援席でお互いに話し合う姿が見られたり、「支え合い玉入れ」を通して複数の自治会から様々な年齢層の方が混ざったチーム内で作戦を話し合う姿が見られたりして、参加者同士のつながりが深まった手ごたえを感じました。また、今回は粟生津地区にある「㈱ゴトウ溶接」にも協力いただき、ベトナムとミャンマーから働きに来ている13人の方々にも各チームに入ってもらうことで、少しオリンピックらしくなったと思います。

委員会の活動だけでなく、地域の活動全部が未来につながっていく

 私は、仕事を定年退職してからずっと「自分が生まれ育んでもらった地域に、できることをやって何か恩返しができれば」という気持ちがありました。そんな折、知人から誘われ、平成27年から粟生津地区協議会の文化部長を務めました。文化部長としては、「長善館史料館*」により多くの方から足を運んでもらうため、数々の取り組みを行いました。その一つとして、毎年長善館史料館で、粟生津小学校の3年生が総合学習で長善館について調べた内容を報告する発表会を開いています。発表会では、子どもたちに長善館の開校当時の和服を着てもらうなど、子どもたちの心に残る時間になるよう工夫しました。粟生津の宝である長善館に関する活動が、今の委員会の活動の原点になっていると思います。


 

 粟生津地区は、私たちの委員会での活動以外にも、粟生津まつりや、前述の発表会などを行っています。これらを通して、子どもたちが「自分の地域ではこんなことがあったんだ」と自慢できる思い出を作っていってほしいと思っています。
 少子高齢化を食い止めるのは難しいですが、今を過ごしている老若男女みんなで「支え合いの輪」を大切にしながら「安全・安心そして楽しく和やかな毎日」を送ることができたら素晴らしいと思います。
 今回の「支え合いピック」開催の趣旨、当日の参加者の笑顔や役員の汗する姿などが、地域全体や各自治会の様々な活動のなかにも反映され、参加する側も活動を支える役員側も「これからも参加したい」と思える活動が今後も続くといいと思います。

* 長善館史料館とは…1833年(天保4年)に粟生津村に創設され、約80年間にわたり推定千人を超える塾生を教育してきた私塾「長善館」に関連する資料を展示している史料館です。